※この文章には「媚肉の香り 〜ネトリネトラレヤリヤラレ〜」のネタバレが含まれています。 未プレイの方は大きな楽しみを失う可能性があります。ご注意を。
ープレイ序盤ー
arto「香織さんいいなぁ〜、香織さんいいなぁ〜。人妻でありながら、清楚で奥ゆかしくお淑やか。ゲーム内で登場するたびに癒されるわ。このゲームのNo.1キャラは香織さんに決定！」
↓
ー乙葉妊娠ＥＮＤ後ー
ー乙葉妊娠ＥＮＤ後ー
arto「香織さんの身辺を執拗に調べていた律子さん、
由紀のことを執拗に聞いてきた律子さん、
その律子さんが殺されかける、
香織さんには異母兄弟がいる、
松太郎さんが死んだ後、遺産を継いだのは香織さんらしい、
一番得をしたのは香織さん・・・」
arto「あれ？これらが示すことって・・・香織さんと由紀はもしや・・・」
arto「いやいや！香織さんがそんなことするはずがない！
虫も殺せないような香織さんがそんなことをするはずないじゃないか！」
↓
ープレイ終盤 由紀に三澤邸へ呼び出されるー
ープレイ終盤 由紀に三澤邸へ呼び出されるー
arto「嘘だッ！！！」
メインルートは沙耶の後日談まで終了。コンプ率は９５％程度。プレイ開始から終了の間で、ここまで好感度の下がったキャラは中々いません。一方、沙耶というキャラの好感度は香織さんと対照曲線。本日はエルフ「媚肉の香り」です。
シナリオ
主人公・南拓也と恋人・進藤由紀。二人は付き合って3ヶ月の恋人同士。拓也は彼女と一緒に行く、卒業旅行の資金を貯める為、三澤乙葉の家庭教師として三澤家に住み込む事に。 『この家はどこかおかしい』。日を追うごとに狂い出す歯車。 三澤家の微妙なバランスに狂いが生じ、不可解な出来事が拓也の周りに起こり始める。(アニオタWikiより)
・良質なシナリオ。家庭教師宅に泊まり込む中で起こる事件。日常が徐々に非日常へ変化していく様は刺激的で面白かったです。中盤からはクリックが進む進む・・・。
ただ、事件の真相が途中で分かってしまったこともあり、終了時に
そこまで心を揺さぶられなかったのは事実です。
それでもこのお話なら合格点。ラストはいつものエルフらしく、くどくない、潔さを感じるもの。お話全体も、泣きゲーのようにインパクトのあるものでないけど、キラリ光る感じで読後感が良い。私は好きです。 「我々は泣きゲーを作っているのではない。エロゲを作っているのだ。シナリオはあくまでエロゲを構成する一つだ」という製作者の声が聞こえてきそうです。ＧＪ。
・舞台設定が素晴らしかった！舞台を家庭教師宅にすることで、製作者が一番こだわったのは下記だと感じました。
�／閥瓩弊瀋蠅鮖箸Δ海箸如▲罅璽供爾�感情移入し易いようにする。
�∧頂振�間での日常が非日常に変化していく刺激と興奮をユーザーに体験させる
�２板躑技嫗陲波�生しそうなエロ、ワクワク感をユーザーに体験させる
�，蓮▲罅璽供爾�理解し易い状況を作り感情移入度を上げるもの。東京を舞台とした女神転生シリーズと同じです。感情移入を上げたところに、�△了彪稘�なストーリー展開と��のエロを投入する訳ですよ。製作者の思惑通り、非日常とエロは凄く楽しかったです。
特に、「家庭教師宅で発生しそうなエロ」を体験させてくれたことについてはありがとうございました！と言いたいです。3Dの家まで再現して舞台を整えるソフト、中々無いですからね。この点だけでも、エルフスタッフに三跪九叩頭の礼をしてもいい！
「可愛い教え子の着替えを覗いてしまったら・・・」「奥さんのシャワーにはち合わせしてしまったら・・・」「可愛い教え子と万が一・・・（自主規制）」「旦那さんの前で奥さんと・・・（自主規制）」など、男なら一度は考えてしまうような背徳的な妄想、それの疑似体験はドキワク感がありました。
ポイントは上で書いた通り、紙芝居でなく家の中を3Dで移動できるということ。これにより、自分で移動してエロに遭遇する期待感がありました。自由行動時、乙葉ちゃんの部屋、浴室、トイレに何度となく足を運びましたもん。(紳士の顔)
システム
基本は選択肢を選んで進んでいくもの。選択によってルートが変わったり、バッドエンドになったりする。選択肢を選ぶ楽しさがあり、バッドエンドに進むことで物語の背景が分かったりするので、攻略を見ないでやるのがオススメ。一部、8/7に発生するバッドエンドを抜けるのに苦労。
・3D移動
上で書いた通り、三澤家を移動する時、女神転生シリーズのように3Dになります。
ストーリーに影響がある訳でないですが、おそらく見れるＣＧに変化があるかと。
ノベルだけの進行か、3D空間を入れるか・・・。私はプレイヤーが自由に三澤家を移動することで、感情移入が３倍界王拳になったと考えます。製作には手間がかかったことでしょう。
「ノベルだけやってりゃいいんだよ！」とか「うぜぇ！繰り返しプレイするのがめんどくせー！」と言う方がいるかもしれませんが、こういう部分にこだわるエルフ、私は大きく評価します。 うちのＰＣだと3D移動がかなり重くなることがありましたけど、shiftボタンを押すことで快適になるので助かりました。
・アイコンクリック
同メーカーの同級生でおなじみ、虫眼鏡で色々調べるモードがあります。今やアイコンクリックのあるエロゲなんて無いでしょうね〜。懐かしい気持ちと共に、流行に流されず自社の歴史を大事にする姿勢を評価。
（アイコンモード。時代が変わりつつも、伝統を残す姿勢が素晴らしい）
グラフィック
・ひと昔に比べると綺麗な、美しいグラフィックを描くメーカーが本当に増えました。ただそれでも、エルフの塗りは他メーカーと違うと感じる・・・。毎日注ぎ足すアナゴの煮汁のような、長い間培ってきた塗りの技術。パンツの書き込みはここまでくると匠の技。エルフは美術展でも開けばいいと思う。私が行くから。
（もはや伝統芸能）
原画家は市川小紗さん。はい、ファンになりました(笑)。塗りの力もあるでしょうが、これだけ美しい絵を描く人、他にいるなら教えて欲しいものです。繊細なタッチで芸術性が高い絵。どこか奥浩哉さん(HEN,GANTZなど)の描く女性キャラを彷彿とさせます。体のラインとか妖艶さとか。市川さんには今後エルフの看板を担って欲しい。
（美しすぎる一枚絵）
女性キャラクター
・今作の女性キャラは４人(一部除く)。全員が非常に魅力的であり、どんな方でも(ロリコン除く)誰か一人は好きになるような、守備範囲に富んだラインナップだと思います。管理人からヒロインに一言。
1)三澤乙葉
受験を控えた高校３年生で、家庭教師の教え子。性格は素直。道行く男が目を留めるほどの可愛らしさ。男性とは付き合うどころか、手すら繋いだことのない箱入り娘。
ヒロインとしてレベルが高く、多くのプレイヤーに好かれそうなキャラです。三澤家のオアシスである彼女には度々癒されました。
乙葉ルートで、拓也に由紀がいるにもかかわらず身体を求めてしまう乙葉ちゃん。一見、泥棒猫的な流れだが、そこにあったのは初めて好きになった男性への極めて純粋な恋心。その想いがあまりに汚れないものだったので、私は彼女を咎めるのをやめた。
2)進藤由紀
大学２年生で拓也の恋人。見た目はペルソナ４の千絵ちゃん似。Ｈに積極的なアウトドア派(？)。こういうエロくて可愛い子が好きな方も多いことでしょう。私としては、４人で一番影がうす(ry。香織さんと違って根は凄くイイ子。
3)三澤香織
arto「裏切ったな！僕の気持ちを裏切ったな！父さんと同じに、裏切ったんだ・・・！」
いやー、被ってた猫の下はアークデーモンでした。女性の怖ろしさをあらためて思い知らせてくれたキャラ。子宮で物事を考え、自分の媚肉で全ての男を自在にできると考えている。「媚肉の香織」とは良く付けたものです。
沙耶の正反対に位置する人物。生まれた時に両親が離婚していることもあり、ここまで汚れてしまったのは、それなりの過去があったのだと思いたい。香織さん視点で本性を見せる中、主人公に対する恋心に戸惑ったり、無意識に濡れてしまったり、時折可愛く思えてしまうのが悔しい。おそらく、自分が昔失ってしまった純粋さを持つ拓也に惹かれたのでしょう。そして、自分の恋心に気付かないほど、肉欲の世界に囚われてしまったのかな、と。
4)叶沙耶
三澤家の３階に住んでいる同居人。今作のメインヒロインと思われる。香織さんと正反対で女性のいやらしい面を嫌悪している。
序盤は全くノーマークですよ。香織さんの好感度が下がる一方で、まさかここまで浮上してくるとはね。今作は香織さんと沙耶さんを通して、「外見にばかり惑わされてはダメ。大切なものは目には見えない」と訴えている気がしてなりません。 当初、点数は８０点後半をつけるつもりでしたが、この沙耶という存在が９０点を超える大台に押し上げました。私にとってそういうキャラ。
テキスト
・土天冥海さん。シンプルで簡潔、読みやすい文章。所々で巧みな表現が入ったりしてテキストがうまいです。Ｈシーンの描写も素晴らしく、「熟練の技」という感じ。河原崎家２もそうでしたが、エルフのＨシーンのテキストは本当に秀逸です。
少し話は変わって、プレイした方の多くが考えること。
土天冥海さん＝ 蛭田昌人さん？について。
私は、やはり蛭田さんなのかな〜と感じました。
確信までいきませんが、蛭田さん側に針が振れている状態です。
通常テキストからは、正直分かりません。
主人公が言う「げ・・・」「あ、あのね・・・」という表現は蛭田さんのようだし、シンプル過ぎる文章は蛭田さんでない気もします。
蛭田さんなのでは？と感じたのはヒロインの性質。ヒロインが持つ母性と献身性が、どうも昔から今作まで一貫している感がある。同級生の舞ちゃん、臭作の高部絵里、鬼作の桃子さん、河原崎家２の杏奈ちゃん、そして今作の沙耶さん。表面的な性格に違いはあるが、ヒロインの本質部分が一致している。つまり同一のライターさんが書いているのでは？と私は感じました。
女性の理想像は誰しもが持っているもの。土天さんが蛭田さんであるならば、蛭田さんの理想像が無意識に出てるのかもしれません。まあ、真実は闇の中ということで、蛭田さんが書いていると思うと夢があるし、よいではないかよいではないか。(お代官)
音楽
・無音や環境音(雨の音、風鈴等)が効果的に使われていて、他のソフトと一味違う雰囲気を出しています。それだけでなく、所々に心に残るＢＧＭが・・・。
特に「ＢＧＭ１８」！エルフはＢＧＭが弱いという印象があるので、こういう曲を出してきたのに結構衝撃でした。沙耶さんと暮らし始めたシーンで流れる曲で、サウンドノベルの感動的な場面で流れそうなメロディー。素晴らしかった！無音が多いだけにこのような曲が余計に引き立ちます。
エロ（満足度をA、B+、B、B-、Cの５段階)
A：文句なし！
Ｈシーン数４３。アニメーション付きは２８。魅力あるヒロイン達が乱れる様を、余すことなく詰め込んでいます。量、質、実用性、全てにおいて高レベルで、私はこれを子々孫々に語り伝える予定です。
・Ｈまでの道筋が素晴らしい
開始１分でおっぱいを出して、開始５分でセックスをする。そんなのでは駄目なんです！プレイヤーの気分の盛り上げ方、いわゆる「溜め」が重要なんです！エロに価値のある作品が好きな私にとって、この溜めがＨシーンの良し悪しに最も関わると言って過言ではありません。
今作はそれが絶妙！パンチラ、胸チラというジャブを小気味よく散りばめて、ここぞというタイミングでエッチというアッパーカットを放つ。今作に限らず、エルフはこの溜めが本当にうまい。
・香織さん
序盤、地下で強引にＨをするシーンも中々のものですが、ここでは後半のＨシーンに言及しましょう。
松太郎さんが死亡後、精神的に追いつめられる香織さん。弱り目に主人公の勢いに流される形で、主人公の家で関係を持ってしまう。妻の貞操、清純な気持ち、etc・・・。守っていた堤防が決壊し、快楽に身を委ねるシーン。
このシーンが素晴らしい！何故なら２度楽しめるから。
１回目は今説明した貞操な妻の乱れる姿として。２回目は媚肉の香織の姿として。香織視点をクリアした後にもう一度見てください。あんなに拓也君のオチンチンを熱望し中々叶わなかった香織さんの願いが、ここでようやく成就したと思うと、香織さんの心境を想像しながらこのシーンを見ると、また違ったアプローチから興奮できるものです！使い方次第で、まだまだ伸びるポテンシャルを含んだシーン！あ、伸びるというのはチ○コでなく(←射殺)(どうせなら上も伏せ字にしろと)。
・アニメーションについて
やはりというか、アニメーションがあると興奮度が違いますね。良かったです。ただ、河原崎２完全版のアニメーションが終始スムーズだったのに対し、媚肉はカクカクする場面が多かったです。アニメーション初期作品の為でしょうか。減点対象。
・沙耶さんとのＨ
１回目のＨで圧倒され、２回目のＨで感銘を受け、３回目妊娠後のＨで感動する。
これは抜ける抜けないで語るものでない。
そんなレベルで扱ってはいけない。
そんな次元のＨシーンではない。
ここまで心揺さぶられるＨシーンを私は知らない・・・。
お気に入りのキャラ
・叶沙耶（時間がある時に愛すべきキャラに是非入れたい）
まとめ
・これぞ、エルフの作品！
良質なシナリオ、美麗なグラフィック、満足できるエロ。それらを土台として、ゲームとしての楽しさがあり、最後は胸に残る結末がある。昔からのエルフの伝統。その伝統は今作でも失うことなく残っていました。つまりは、泣きゲーでなくノベルでなく、素晴らしい「エロゲ」です。
今作で特徴的なのが「沙耶」というキャラの存在。沙耶を気に入るかどうか、沙耶に何かを感じるかどうか。それが媚肉の香りを名作にするか、良作以下にするか。それぐらい重要な、今作の魅力の半分くらいを占めるキャラだと感じています。
私がエロゲから離れたのは2002年。復活したのは2010年。その間、エルフという会社はずいぶん凋落したらしいと、外部からの情報で聞いておりました。でも、2008年に出たこのゲームを見ると「エルフ、まだまだいけるじゃん！」。これは私だけでなく、プレイしたファンの方も思ったのではないですか？このようなゲームを作る限り、私はエルフという会社についていきます。頑張れelf！
PS. キャラクター、やりとり、展開の仕方等、全体的にアダルトな空気が漂っていて、最近のエロゲとは一線を画した雰囲気があります。これは昔からエロゲを嗜んでいる方、つまり、おっさんの方が楽しめそうです。製作者もおっさんなら、プレイもおっさん向けということでしょうか？(製作者が実際おっさんか知りませんけど 笑)
（2014年5月26日 記載）
(C)elf
