本日は、エルフの名作「野々村病院の人々」の感想です。
え、先日までプレイしてた「こなたよりかなたまで」のクリスルート2はどうしたかって?分かっております。エルフ作品一通りプレイしたら本気出す。
先日、このゲームの音楽を聴いていたら、急激にやりたくなりまして。速攻でダウンロード版を購入しました。そして、あまりの面白さに約1週間でフルコンプ。ちなみにサターン版は10数年前に経験済。内容はほとんど忘れ、梨恵が○○であることくらいの知識でプレイ開始。
システム:選択肢を選んでストーリーが変化するADV。「調べる」「押す」といったコマンド式ではなく、会話の流れの中で選択していくもの。ただ、選択肢の量が非常に多く、分岐が複雑かつ良くできています。ゲーム性アップの要因の一つになってます。
ストーリー:自称天才探偵「海原琢麻呂」がひょんなことから足を骨折し「野々村病院」へ入院。その病院の院長は少し前に自殺をしたが他殺との噂もある。また、院長には多額の保険金がかけられていたという話も。何やら黒い噂の中、院長夫人から琢麻呂へ院長の死について調べてほしいという依頼があり、探偵として調査を開始する、というお話。
良く練られたストーリーですね。犯人は最後の最後まで確信できませんでした(サターン版やったはずなのにw)。本筋はあまり長くないです。しかし、バッドエンドや全テキストを含めるとかなりの量になると思います。
テキスト:秀逸すぎる。蛭田さんのテキストはほんと最高。ユーモアとエロを取り入れながらもくどくない文章。不思議とどんどん読めます。文学に対して私は素人ですが、表現が多彩ですごいセンスが良いなと思います。
お気に入りの会話
琢麻呂「セーラー服の少女よ、私が彼女をベッドへ運ぶから車椅子をどけてくれ。」
セーラー服の少女「そのセーラー服の少女っていうの止めてくれない?」
琢麻呂「では何と呼べばいい。」
セーラー服の少女「私には加奈っていう、かわいい名前があるんだから。」
琢麻呂「ではカメ、車椅子をどけてくれ。」
加奈「加奈っ!!」
キャラ:これぞエルフのキャラ。私の記憶の底にあった愛すべきキャラたち。女性はかわいくて好きです。男性キャラは味があってもっと好きです。エルフの男性キャラ好きなんですよね〜。これキャラクターデザイン、横田さんだったんですね。この絵から分からなかった。
主人公の琢麻呂はEVEの小次郎と似ていますが、こちらが元なんですよね。「〜なのだ。」が口癖で某燃える!お兄さんを思い出しました。菅野さんは蛭田さんを受け継いでいると思いますが、「まるパクリ」ではなく、蛭田、菅野それぞれのキャラが独自性を出していると個人的に思いました。とりあえず両者、最高!(審判が両者の腕を持ち上げるイメージ)。
グラフィック:いわゆる「エルフ塗り」には本当に頭がさがります<(_ _)>。美しい。美しすぎる。ビューティフォー!サターンでも綺麗でしたが、Windows版でリメイクしてより綺麗になったこの絵。どうですか!お客さん!(暴走中)
この美しさはエルフにしか出せない独自性でしょう。エロゲ業界で低迷中ですが、この独自性を無くさず頑張ってほしい!応援してます。
音楽:曲数はかなり少なめです。主にかかるのが、病室の曲と病室の外にいる時の曲ですが、2曲とも凄い雰囲気に合ってます。「岬君!」「翼君!」という2人のゴールデンコンビ並に合っています。普段はしがない探偵風な曲調が素晴らしい。
そして、以前「音楽への想い」にも書いた曲名不明の曲(サウンドテストでNo.11のやつ)。やっぱ最高!!物語の確信に迫る時に流れるのですが、否応なしにドキワクさせられます。最近知りましたが梅本竜さんも半分かかわっているらしいですね。やっぱり。。。
エッチシーン:こいつ、動くぞ!ということでまさかのGIFアニメ。GIFアニメか分かりませんが(笑)、GIFっぽく少々動きます。その小さな改変が私、嬉しかった。ナイスエルフ!フルじゃなくこれくらいで十分。
結論:すげえぇぇぇぇぇ面白かった!
シナリオ、ゲーム性、テキスト、グラフィック、音楽の全てが高次元。それらが相まって、一つの素晴らしいソフトを作っていました。「エロゲー」も大元は「ゲーム」であり、エロだけではだめ。シナリオだけではだめ。「ゲーム」としての楽しさを大事にする、という考えで作られたソフトだと感じました。まさに色褪せない「名作」。こういうドキドキワクワクするソフトが増えてほしいものです。蛭田さーん、戻ってきてくれ〜!!
(2010年10月8日 記載)
(C)elf
(関連ページ)
・牧野梨恵について(愛すべきキャラ予備)
・野々村病院の曲「no.11 曲名不明」の感想