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【ゲームレビュー】
 12Riven -the Ψcliminal of integral- (PS)








みなさん、こんにちは。
artoです。


先日クリアした12Riven、点数がまとまったので
書きたいと思います。

12riven




総合評価:  A-(73)




今作は、今は無きゲーム会社「KID」の「infinityシリーズ」の一つであり、「Never7」「Ever17」「Remember11」に続く4作目となっております。


Ever17と言えば、今やADVゲームの超名作として多くの方に知られ、
未プレイの方でも名前くらいは知っておられるのではないでしょうか?


私個人としては、Ever17よりRemember11にかなり衝撃を受けた口であり、
メイン製作者「打越鋼太郎さん」の名前が出てくれば、
「おっ!」と、そのゲームに注目するくらいになっております。
お気に入りライターの1人です。(^_^)v



今作12Rivenも、2008年発売当時、かなり期待して購入した訳ですが・・・。


12riven


■決して悪い作品でない


今作を振り返って、
まず言っておきたいのが、
「決して悪い作品でない」ということであります。


今作もEver17、Remember11と同じように、
叙述トリックやさまざまなギミックがゲーム内に散りばめられており、
二人の主人公視点が変わっていく形です。
それはRemember11に近く、
序、中盤の展開は、謎が謎を呼び、謎がどんどん深まっていき、 かなり惹きつけられる、楽しいものでした。

(Ever17では、序、中盤が退屈というWeakPointがあって、
打越さんは、その後の作品でかなり気を使ったと感じます)



しかし・・・。



■今作の難点1:非常に難解



今作、非常に難解、難しいんです!(笑)



12Rivenでは「現世界」と「A世界」、
二つの世界で2人の主人公が物語を展開する。
簡単にいえば「二つのパラレルワールドもの」ではありますが、
この「A世界」が、単純なパラレルワールドといえず、
微妙に理解しづらい。



↓↓A世界に居た謎の少女「マイナ」↓↓
12riven


「時が止まった世界」
「全ての可能性を内包した、確定されてない世界」
「現世界の本体(識閾下、無意識、潜在意識)が脳内でシミュレートしてる世界」



最終的にそんな説明があったと思いますけど、
「自我が識閾下に遅れて〜」というA世界の設定が
個人的にイマイチイメージしづらく、
全体の理解を妨げていたのがひとつ。


もうひとつは、2人の主人公視点の交代する頻度。
別々の世界に居る「錬丸」と「鳴海」。
その視点が交代しながら物語が進む訳ですが
これが目まぐるしい。
ゲーム内で示される通り、まさに「時間、分単位」。
これ自体、ゲーム内ギミックとして、
また、後の種明かしでプレーヤーのカタルシスを高めるものとして、
作者がとても大事にした点
と思われます。
ですが、あまりに細かいスケジュールなので、
これ自体が物語の理解に逆作用してしまった感があります。


加えて、現世界とA世界に登場するキャラの
「見た目」と「名前」のギミックも結構ややこしく。。
「あれ?こいつがミュウだっけ?」
「どっちがどっちだったっけ??」

と、頭がこんがらがってしまいました。。。


さらに、プレーヤーによっては、
中盤から終盤で長く続く
「識閾下の説明」
などでも、飽きることがありそうでした。


↓↓えーと、こっちの世界でブラウンの髪はアイツで、こっちは・・・えーと・・・ええい!分からん!・・・みたいな 笑↓↓
12riven 12riven


■今作の難点2:グラフィック面


Remember11はたしか「左さん」が原画を描いていて、
今作は、Ever17と同じ「滝川悠さん」が描いています。


滝川悠さんが描く絵は、はっきりとした鮮明な感じで、
男性キャラはカッコよく、女性キャラは可愛らしく、
Ever17から「ファンです!」というプレーヤーは多いのではないでしょうか?
はい、私も好みです。


しかし、
本作ゲーム内の絵は、
かなり絵の出来に差がある。


特に一枚絵。
「製作時間が足りなかったのでは?」
と想像してしまうくらいに、よいのと雑なのが入り混じってます。
そこが残念でした。。。


↓↓誕吾小さ過ぎない? 笑↓↓
12riven

↓↓ミラージュ系は特に↓↓
12riven

↓↓これとか。結構いい絵もあるんだけど、安定感がないというか緊迫感もないというか。塗りもよくないのかな〜?↓↓
12riven


Ever17とRemember11の絵の質は
全体通してよかったのに、
なぜこうなってしまったのか・・・。


一方、
立ち絵に「口パク」がついていたのは、
評価したい点であります。
(しかし、それを実装できるくらいなら、先に一枚絵をですね・・・ゴホッゴホッ 笑)


■今作と今の地球との関連性


上に難点を二点書きました。
今度はお話について感じたことを。


今作は大項目として、
「リミナリティーという世界を影から牛耳る闇の結社が、第弐エクリプス計画を実行して、全人類を愚民化する」
というのがあって、それを主人公たちが阻止するお話です。


リミナリティー・・・。
どこかで聞いた名前でありますが(笑)、
これは現代の地球においても、大体同じ構造、
リンクしていて中々興味深い内容となっております。



それに加えて、A世界とエクリプシーの絡みから、


「わずらわしい肉体を捨ててアバターの世界で生きるか?」
      |
      |
「肉体と魂を持った人間のまま、生きるか?」


「魂を無くした人間とは?」
「愚民とは?」



を考えさせられる内容になっています。
現代の世界で言われている「ムーンショット計画」に通じる内容も含まれていて、
これが2008年に製作されたと思うと、
かなり時代を先取りしていたすごいソフト、かもしれません。

12riven


■作者が伝えたかったメッセージ


おそらく上に書いたような「現代地球の闇」「日本人、地球人類愚民化」なども
ゲームを通して伝えたかったと思いますが、


打越さんがなんだかんだ一番伝えたかったのは、


錬丸の「愛なんだぁぁーーー!」のシーン


なのではないでしょうか?
私はそう感じました。


↓↓どんなに理屈を並べても、最後は結局「心」よ、「ハート」よ!↓↓
12riven



つまり、


「この世界は腐っている。腐りきっている。
だけど、錬丸のような、愛を持っているヤツも居る」



そういう「愛への信頼、現代世界への信頼」を伝えたかったのだと。
(これはエピローグのメイとの会話でも解ります)



非常に科学的、SFな内容を描く一方で、
そのような「人の心」を説こうとする打越さんに、
私はさらに愛着が沸いてきましたよ。(*´ω`*)



■最後に


初めは「10行、20行の簡易レビューで終わりにしちゃおう」と思っていたのですが、 予定を外れてかなりの文を書いてしまいました。(笑)


今作「12Riven」はinfinityシリーズの中で
プレーヤーの評価はかなり低いのでは、と思います。
その理由は上に書いたように、特に
「難解」という点が一番大きいと予想しますが、


しかし、ネットにある「12Riven年表」や
↓のような「プレイノート」を自分なりにまとめて全体像が理解できてくると、



「この作品の全体プロットはとてもよく出来ている!」
「コレ、実はもの凄い作品だ!」
「よくこんな綿密な設定と流れの作品を創ったなぁ! 製作者(打越さん)は凄すぎるな!」




と驚愕するに至りました。



↓↓開始から、さまざまなところに緻密にトリックが組まれていて、これを常人が創るのは無理ではないかと↓↓
12riven


ただ、あまりに難解過ぎて
万人にオススメできるレベルでないので、
その分、評価が低くなった次第です。


いや、惜しい作品です。
私としても、もう一度初めから流れを追ってみたい気もしてます。
(ちょぉ〜とキツイかな〜 笑)


また、上にも書いた通り、
お話自体が「現代地球の支配構造や闇」と非常にリンクしていて、
(難解さを除けば) みなさんに手にとって読んでもらいたいお話
ではあります。


2023年の地球では、
これまで地球を支配していた闇が暴かれ世界が変わっていく時期。
そんな時期にこの12Rivenをプレイしてみるのは一興かと。
プレイしたみなさんが何を感じるか、私は興味あります。


それでは、12Rivenのゲームプレイ、これにて終了です。
ここまで読んでくれた方、ありがとうございました。<(_ _)>


12riven


ゲームレビュアー artoより
Fin



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みなさん、こんにちは!
管理人のartoです。


HPのレビューには書いてなかったのですが、
水面下でPS2の「12Riven」をプレイしていました。


このソフトは2008年発売当時に購入。
プレイをし、いまいち盛り上がらず途中で放置。(笑)
2023年になって「ふと、もう一度やってみるか」という気になった、そんな経緯です。


プレイノートを始めたのがラストもラスト。
∫(インテグラル)ルート最終局面ということで、
そこのみのプレイ中レビューとなり、
未プレイの方は特に訳が分からないと思いますが、どうかご了承ください。<(_ _)>


12riven
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12riven



(管理人からの一言)
12Rivenのプレイノートは自分で言うのもなんですが、
結構な力作になりました。
ノベルゲーとプレイノートの相性が
意外と良いという説。


気が向いたら、
全クリア後レビューを書きます。
ではでは。(・ω・)ノ



>全クリア後レビュー (2023/9/1)
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