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 ユカ(ゴア・スクリーミング・ショウ)




ユカ







※この文章にはゴア・スクリーミング・ショウのネタバレが含まれています。 未プレイの方は、大きな楽しみを一つ失ってしまうかもしれません。ご注意を。





ユカに対する初めの印象はあまり良くなかったと思います。あかねちゃんや希衣佳さんを守る立場から見ていたので。しかし、全てが終わる頃には・・・。この子は私の心を抉っていきました・・・。


ユカのここが魅力
・ロリ

私はロリの嗜好はありません。が、人によってはこの時点でゾッコンかもしれませんね。可愛らしいデザインと表情豊かな立ち絵。ゲームを進めていくうちに、上田メタヲさんの仕事は素晴らしいと実感しました。個人的に笑顔と驚いた顔が好き。

軽いはずみのロリでなく、お話の都合上、ロリである必要があります。実際は26、27歳だが、時間が止まったため、小、中学生の身体。ロリとHするに相応しい設定作者は残酷な設定を考えたものです、まったく!

ユカ


・罵詈雑言

「あんたなんてサイテーね!」「変態!」「雌豚、豚っ、ブタっ!!」など、憎しみに囚われたユカちゃんは、このような言葉を遠慮なく言ってきます。人によっては、この時点で(ry。私も若干、気持ちよくなりました。(照れ)


・無邪気、天真爛漫さ

恭司君もこの子の無邪気さには翻弄されていました。喜んだと思ったら怒ったり、笑ったと思ったら泣いたり・・・。森の中を駆け回る姿に、可愛らしさの一面が出ていましたね。

過去のユカは、引っ込み思案で怖がりで、ここまで元気でなかったように思えますが、いじめ等が消えることで表れた、ユカの新たな一面なのかもしれません。

ユカ



さて、ここからが本番。

私の心を捉えて離さないその魅力は次からです。




・少女の悲劇的な過去

ダークでバイオレンスな言動と行動で、恭司君の邪魔ばかりしてくるユカ。初めはどうみても嫌な奴です。 しかし、物語が進み、ユカが経験してきた過去を知ってしまうと・・・。

ユカの本名は音無紫(おとなし ゆかり)。その紫ちゃんに襲いかかった悲劇を振り返っていきましょう。

ユカ



「姉の方は、桃音と正反対の性質だった。
引っ込み思案で、運動も出来ず、受け答えも愚鈍だった。
何を話しても反応が希薄で、おどおどとして、
そのくせ、闇子達の後を 付いて来たがった。」(さいたま闇子)



妹の桃音と姉である紫。 生まれつき身体が弱かった紫は、桃音に度々いじめられていました。醜い、汚いと罵られたり、一緒に遊んでいた早由海、ひーくん、桃音の3人に仲間外れにされたりしていました。

心が優しいゆえに、言い返せずいじめられてしまう・・・。優しい子にありがちなパターン。 やりとりを見ると、引っ込み思案もありますが、元来優しい性格なのだと思います。 外国のお菓子をみんなに分けて与えたりもしていました。

ユカ


で、こんな状況でも、紫を守ってくれる先生や大人が周りにいれば良かったのですが、残念ながら居ないんですよね。

後のセリフ「・・・や、優しくなんかない!あんな女、・・・あの男も、私のこと置いて―――」から、両親も紫に愛情を注いでなかったと推測します。
これが悲劇の始まり。紫を大切にする人が一人でも居れば、運命は変わっていたかもしれない。「何故、誰もいなかったんだ・・・!」と嘆かずにいられません。


そしてある時、次の悲劇が起こってしまいます。

ユカ


桃音、ひーくん、早由海によって井戸に閉じ込められた紫は、その奥で不思議な力を持った石に触ります。その石は紫の身体の中へ。この時、紫の時間が止まりました。

ここでの一番の悲劇は、紫が怒り、憎しみ、恐怖で一杯の状態で時が止まってしまったことです。心の大半が負の感情に覆われ、常に憎しみが噴き出す状態。私も「周りを全て吹き飛ばしてぇ!」とか「世界が滅びればいいのに・・・」と思うことはありますが、その比ではないと思います。どれだけ辛かったことでしょう?

ユカ


憎しみの心は、紫の見る世界も同様に変えていきました。生きてる世界は怒り、恐怖で満たされた世界。石の力でゴアと出会った紫は、ずっと不満をもっていた両親も殺してしまいます。わずかに残っていた良心も、憎しみの雲に覆われていきます。


しかし、ここで紫にとって大きな出来事が。恭司との出会いです。

ユカ


呉仁町の夏祭りに来ていた恭司は、裏山で偶然、紫に出会います。そこで恭司は紫を怖がることなく一緒に遊び、夜店で手に入れたブレスレッドをあげました。

一見、なんてことのないこの出来事。ですが、これが紫にとってどれほど大きい出来事だったか・・・。憎しみの心をどれだけ溶かしたことか・・・。
一般人には想像もつかないでしょう。この出来事が、憎しみに消え入る紫の良心をわずかなところで繋ぎ止めました。


「私の世界の救えるのは恭司しかいない」。憎しみの世界に咲いた一輪の花。紫にとって、恭司は唯一の希望となりました。


それは、肉塊の世界を生きる郁紀にとっての沙耶のようであり、「コウタは、この地獄の中で、私の前に不意に現れたつかの間の夢だ・・」と言ったルーシーのようでもあります。 ゲーム内でのパンドラの箱の話や、ゴアの「この世界は何で出来ている?」の問いでもありましたが、紫は0.099%のこの希望を糧にして、今後生きていきます。

ユカ


その後、10数年経ったある日、紫は再び恭司に出会う訳ですが・・・。


あかねちゃんや希衣佳さんルートをやっている時は「このクソガキ・・・!」とか「ファック!」とか正直思いましたが、 このような過去を知ってしまうと、どうしても放っておけないんです!愛おしいんです!紫が!!
闇子さんも言っていたでしょう?「どうしても紫ちゃんを憎めなんだよね〜」的なことを。


「ふざけんな!無残に殺された早由海はどうなるんだ!」と仰る方々の気持ちは十二分に分かります!分かりますが、私の身はどうなってもいいので紫だけはお許しくださいませ!お願い!(土下座)

ユカ


・少女の本質は、優しく純粋、清浄な心

アルトネリコ2で、非情な実験から人間を憎み、人類を滅ぼそうとしたジャクリ。彼女の本質が純白だったのと同様、憎しみの奥にある紫の本質も、純粋で清浄なんですよね。

ユカ


ユカルートの海のシーン。「海、でっかいよ。ユカはちっぽけだ」で見せる純粋さ。「ユカはユカが嫌い・・・一番嫌い・・・」「―――なさい・・・。ごめんなさい・・・」で見せる優しい心や贖罪の気持ち。ユカルートでは、恭司君の力により、徐々に本質が見えてきます。


そして、なんと言っても、全てから解放される最後のシーン。


まるで暗闇が全部払われ、すがすがしい朝がやってきたような紫の表情。グロにより最大限に引き立った、清浄な心の美しさ。このシーンを見た時、私の心はエリュシオンへ旅立ちました。嗚呼、天に召されるとはこういう気分なのですね。その浮世離れした心の綺麗さは、私の心に刻みこまれました!紫、ありがとう!ラブ フォーエバー!

ユカ


・ボイス

最後にこれは言わないと。みるさんの演技、本当に素晴らしかったです!かわいい声と低い声の使い分け、罵声、泣き叫ぶ声・・・。みるさんの演技あってのユカというキャラの完成。感謝、感激です!


心に残ったセリフ

「この世の50.78%は怒りで出来ています。
残りの44.2%は憎しみで出来ていて、さらにその残り4.493%は糞尿です。
そしてさらに、0.246%が反吐、0.182%が空腹で出来ています」
(なんというインパクト。しかし、パンドラの箱同様、わずかに希望を残しています。)

「運ばれたのは恭司。運んだのはゴア。そんなことより、ご飯にしようよ。」
(何故かこのセリフ好き。いたってシンプルな物言い。)

「ユカの中には、恭司しか綺麗な物がないの。
だから―――助けて、恭司・・・っ!」」
(憎しみしかなくなった心だからこそ、恭司が光って見えるのだろう。ここまで執着してしまうのだろう。)

「分かった?だからユカは、ユカが一番嫌いよ」
「ユカはユカが嫌い・・・一番嫌い・・・」
(心優しい子ほど、最後は自分を憎んでしまう・・・)

「う、うんっ、ユカも、また行きたい・・・ん、ああ、ふぁ・・・き、恭司と、海にいきたいなぁ・・・」
(切なすぎて、手を股間に持っていくなんて出来ません)

「・・・ありがとう。ゴア・・・」
(憎しみの世界でずっと側にいてくれたゴアへ。紫の万感の想い。)

「追いかけてきてね。きっとよ!―――また会えるのを、楽しみにしてるから!」
(その姿はまるで清々しい朝のよう。好きな人の為に自ら去るその姿。涙。)

ユカ


最後に
・本当は人を殺したりなんかしたくない。でも、憎しみの感情が溢れだして止まらない。暴走してしまう自分に対し、紫はとても苦しんできました。そんな状況の中、なんとか守り通した紫の本質。彼女の清浄な心は、他の追随を許さないくらい美しい・・・!その美しさが、私の心に生贄の烙印(ベルセルク)を刻みました。

遠い将来、痴呆になり多くのキャラを忘れても、このキャラだけは忘れないような気がします。紫には本当に幸せになってほしい!これだけ辛い人生を送ってきたのだから・・・。

ユカ


PS. 紫が憎しみから解き放たれたのは恭司君の力でもあり、ゴアの力でもあったと。ゴアは石が剥がれる時、最後の力で紫の暗闇を全て吸い取ってくれたと。そう、思いたいです。まさにご主人を想う三つ編み猫さんです。また、この作品には明かされない謎、例えば、桃音はなぜあんなに老けていたのか?ゴアは紫の憎しみの力で動いていたのか?恭司に再会するまでの10数年は何をしていたのか?等、沢山残っており、妄想しがいのある作品だと思います。


(2013年6月27日 記載)



(関連ページ)
  ・ゲーム「ゴア・スクリーミング・ショウ」の感想
  ・ED曲「時果つる夢」


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